富士山に学べ防犯機器業界 [万引き防止.com]

「富士山」を世界文化遺産に登録することが22日、正式決定した。
富士山は1990年代前半、自然遺産として登録を目指す動きがあったが、ゴミ処理などの環境問題が障害となり、2003年の政府の検討会で候補から外れた。そういうことを思い出したら防犯機器‐監視カメラ業界、防犯ゲート業界のことをつい思い出してしまった。

 現時点での防犯機器‐監視カメラ業界、防犯ゲート業界は、まさに富士山がゴミ処理などの環境問題が障害となって2003年の政府の検討会で候補から外れたことと同じような状態にあると思われる。富士山の世界文化遺産登録が秒読みとなった22日午前、静岡県御殿場市の富士山御殿場口新5合目で、市民や地元企業関係者など約200人が清掃活動を行った。

 日本では霊峰・富士山だが、少し前まで世界的には‘汚い山’として知られていた。私もそのイメージを持ち、同行を誘われてもゴミだらけで、しかも糞尿の臭いが鼻を突くと聞いていたので遠慮すると言ってきた。

 以前はトイレの汚水がそのまま山肌に流れ出し、含まれるトイレットペーパーが‘白い川’のように見えるとまで言われていた。今は山頂に自販機はあるが、缶のポイ捨てはなくなったという。トイレはバイオトイレが設置され、汚さも臭気も大幅に改善されていると聞く。山頂にゴミ箱だけはなく、ゴミは出さない・持ち帰りが徹底しているという。
 
 監視カメラも防犯ゲートも店舗防犯に役立つとされているが、監視カメラはレジ狙い強盗にも万引き犯にも馬鹿にされ、監視カメラの下で、またカメラが向いている先でレジ狙い強盗をしたり万引きされたりしている。防犯ゲートはアメリカから到来したとき、‘万引き防止装置(EAS=Electronic Article Surveillanceの略)’と言われていたが今は面影すらない。

 防犯ゲートは、防犯タグと一体なのだが、肝心の防犯タグが付いている商品が極端に少ない。開店40年を迎えた私が住んでいる近くのスーパーが、1、2ヶ月前から1階出入り口、2階と3階のエレベーターの降り口に防犯ゲートを設置したが、防犯タグが付いている商品が見つからない。

 防犯ゲートは新品でないので、閉店したどこかの店舗で使っていたものを持ってきたかと思われる。防犯ゲートが設置されれば、万引き犯ならどういう商品に防犯タグが付けられているかと必ずチェックする。防犯タグが付いた商品がなければ、防犯ゲートは‘ダミーか’と思ってしまう。

 富士山について政府はその後、自然遺産でなく文化遺産での推薦に方針を切り替えた。これがよかったのだろう。監視カメラ、防犯ゲートも‘新たな切り口’を考えるべきだろう。

 前号でも触れたが、監視カメラは万引きやレジ狙い強盗を見張る(建前上は)だけでなく、店長・店員が本当にお客に心のこもった接客をしているかをチェックするツールの意味合いを持たせたほうがいい。そのためには社長と人事部長が映像を見る癖を付けたほうがいい。ずっと見続ける必要はない。

 防犯ゲートは、設置しても防犯タグを付けた商品が探しても見つからないというのは論外として、少なくも‘ほとんどの商品に’防犯タグを付けるべきである。防犯ゲート業者は、防犯タグのコストと万引き被害額とを比較してみたことがあるだろうか。店舗もそうだが…。

 防犯ゲートを売り込んだ先の店舗の、設置前と設置後の万引き発生件数、被害額を調べたことがあるだろうか。店長・店員が防犯ゲートを使いこなしているか調べたことがあるだろうか。防犯ゲートが発報したときに店長・店員が即座に駆けつけているか、正しい声掛けをしているか調べたことがあるだろうか。

 こういったことは監視カメラ業者、防犯ゲート業者ともないはず。ないから、これまでのことを反省することもなく、ただただ売れないとぼやくだけ。富士山が世界文化遺産に登録されるまでの道程を調べたらいい。これまでのことを反省できればシメタもの。

 防犯機器業者は、反省を乗り越えて新たな気概を示す時である。そうでなければ都議選にも惨敗した民主党のようになってしまうだろう。
 
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