社長と人事部長の出番です [万引き防止.com]

私は、防犯効果がないので、せめて監視してくださいよという願いを込めて監視カメラと言っていますが、実際にはライブ映像にしても録画映像にしてもあまり見ず、閑な時にしか見ない閑視カメラではないかと思っています。

現状は、防犯カメラ→望犯カメラ、監視カメラ→閑視カメラではないでしょうか。防犯には役立っていませんね。事件が起きた後の警察の捜査には役立ちますが…。もっともカメラが原因で誤認逮捕することもありますが…。防犯カメラと言うより、望犯カメラと言ったほうが相応しい気がします。

古い話ですが(08年3月23日)、某店で当時役員をしていたセキュリティ責任者から次のようなメールをいただきました。

『佐藤様はミミタコのように万引き対する教育をしていないと言われるけど、「やれない」のではなく、「やらない」のです。効率経営のために、真っ先に効率化すべきは一番手間暇の掛かる「人手作業」であり、一番経費の多く掛かる「人件費」なのです。

作業は秒単位で計測し、勤務時間は分単位で管理し、これは世界中の小売チェーン店で実施されている事と認識しています。トヨタ自動車に見習え!とばかりに、効率経営を推し進めてきた結果がこうさせているのです。

事ほど左様に、佐藤様が日頃「ミミタコ」の如く仰っておられる万引き対策とは相容れない、矛盾した状況がそこに有るのです。これを打破する為に、或いはその矛盾を取り払う為にはどうすれば良いのか、お知恵を借りたくお願いしているのです。万引き対策の責任者としてこうなのです。

また、次のようなこともあります。これは監視カメラのSI会社の社長さんからです。<私が以前係わった某スーパー(実際には店名明記)でも警備員にモニターを監視したらどうですかと言っても店長が、そんな暇があったら店内を巡回するようにと言われるのでモニターの要員はいないとのことです>。』

万引き対策は易しいと思う人が多いですが、実は店の実情を知れば知るほど一番難しいでしょう。社長が、仮に千手観音であれば、社長は、幹部や店長など頼らずに自分で行えば、万引きは防げるのですが、そういう訳にはいきません。最近のメルマガでは社長に厳しく当たっていますが、このことに反発して社内で強い姿勢に出られることを期待してのことです。万引きに一番頭を悩ましているのは社長でしょう。

監視カメラ網が広がって、どこにいても監視されているようで怖いという人がいます。私は監視カメラはむしろ安全安心を守ってくれる守護神であり、もっとあればよいと思っています。監視カメラがあればいいのになぁと思う場所がまだまだ沢山あります。

また、監視カメラの役割にプラスαを付け加えるべきだと思います。その新しい役割を担うのが社長と人事部長です。

多くの店舗に設置されている監視カメラは、一応は犯罪予防、あるいは威嚇のためのツールと考えられていますが、もっと重要な役割があります。店舗に設置されている監視カメラは、店員の接客振りによっては逸失するかも知れない売上げ・利益を守るのも重要な役割です。このことを店は忘れ、業者も忘れています。監視カメラは単に犯罪予防、万引き犯への威嚇だけではないのです。しかも、そのことが果たせないお粗末さ。

今、“老朽化インフラ復旧”がキーワードの1つですが、店舗における監視カメラ、防犯ゲート、防犯ミラーもその観点で見直すべきです。売上げ・利益を守るのは盗難による損失防止とともに、重要なのが店員の接客ぶりのチェック。じつは監視カメラ、防犯ゲート、防犯ミラーを使って店員の接客力を高め、防犯力を高めることが出来るのです。

監視カメラのモニターを社長と人事部長の近くに置いて、社長と人事部長は、出来るだけモニターで売り場にいる店長や店員の動きを見るようにすべきです。始終見ている必要はありません。

防犯ゲートに監視カメラを連動させておき、防犯ゲートが反応したときに音か光でそのことを知らせてくれる仕組みにしておけば、すぐにモニターに目をやってレジ係りの動きをチェックすることが出来ます。インターネットでつないでおけば、社長や人事部長は居ながらにして(社長室や人事部長席に限らず)見ることが出来るのです。人事査定が出来るのです。実態に即した教育・指導も出来るのです。

店員の動き(接客振り)が悪いのは店長、また店を担当するエリアマネージャーだとかブロックリーダーなどと呼ばれる幹部の責任であり、社長と人事部長であれば彼らを厳しく指導することが出来るし、場合によっては配置転換することも出来るでしょう。これが行えるのは社長と人事部長しかいないと思います。

監視の目が広がって怖いなどというのは世迷言に過ぎません。今、むしろ怖いのは人を見ていないことです。そして人を叱らないことです。店内にある監視カメラの映像を見れば、店長や店員の仕事振りだけでなく、その店担当の幹部の仕事振りも推察できます。悪ければ遠慮なく叱ることです。

当面は全店の映像でなくてもいいです。ロス率が高いとか、あの店長は大丈夫かなぁと思っている店の映像を見ればいいです。しかもコソコソと見るのではなく、効率化をより一層推し進めるために社長と人事部長が直接映像を見て指導するとか宣言すればいいのです。このアナウンスだけでも店長、店員、また幹部のモチベーションは必ず高まります。

今の「閑視カメラ」から、文字通りの監視カメラにして、従業員教育にも役立たせましょうよ。

(by セキュリティ事業部  佐藤)

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