買取りルールを厳格にしても [万引き防止.com]

今日はこの1ヶ月話題となっていた『万引き客の「顔写真」店内貼り出し』問題を書こうとしましたが、28日金曜に動きのあった「中古品買取りに保護者同伴 万引き防止へ中学生も適用」というニュースについて急きょ書くことにしました。

それというのも去る18日、母親と子どもら5人でコミック本22冊万引きし、そのコミック本を子どもらでなく母親が古書店で換金して分配していた事件が起き、また古書店の店長が6年前に万引きしたアベック客2人を覚えていて、再来店した2人を警察に通報して逮捕!という事件があったからです。

「ゲーム買い取りに保護者同伴 万引き防止へ中学生も適用」というのは、すでにご存じだと思いますが、万引きの被害品の買取りを防ぐためゲーム店やビデオレンタル店が、書籍やCD、ゲームソフトを買取る際に、客が中学生以下の場合は保護者の同伴を求める自主ルールを10月から運用することを決めたというもの。加盟店の中から東京を中心とする約2千店で実施するということで。

“客が中学生以下の場合は保護者の同伴を求める”というのですが、前述のコミック本22冊を万引きし換金した事件では、子どもが古書店に行って換金したのではなく、親が換金したのです。つまり、今回の“自主ルール”の効果には「?マーク」が付いてしまいます。

コミック本22冊を万引きし換金した事件というのは、岡山県警・倉敷署が親子でコミック本22冊万引きしたとして窃盗容疑で倉敷市のパートの母親(40)ととび職の長(17)、中学3年の次男(14)、知人の中学3年生2人の計5人が逮捕された事件です。

5人は共謀し、5月29日午後8時30分頃、倉敷市のレンタルビデオ店でコミック本22冊(計9,760円)をショルダーバッグに隠して万引きした疑い。犯行時、母親は見張り役だったという。そのためか「万引きに関わっていない」と否認し、長男ら4人は「金が欲しくてやった」と供述しているという。母親が古書店で換金し分配していたとみられ
ています。

古書店の店長の件は、6年前に万引きで逮捕したアベック客2人を店長が覚えていて、再来店した2人を警察に通報して逮捕!という事件です。この店長に脱帽してしまいます。兵庫県警・神戸西署が6月27日、窃盗(万引き)の疑いで男女2人を逮捕したのですが、これは前日の26日夕刻、神戸市西区の古書店から「盗品を男女が売りに来た」と110番通報があったのは発端。です

通報したのは店長(34)。店長は来店した2人が6年前に取り押さえた万引き犯と同一人物と気づいてすぐに110番通報。店員に買い取りの査定のふりをして時間を稼ぐよう指示。神戸西署員の到着で逃げようとする男に「俺の顔を覚えているか」と言って逃げる男女の乗っていたレンタカーの前に立ちふさがり、駆け付けた神戸西署員が任意同行し27日に窃盗の疑いで無職の男(31)と無職の女(31)の2人を逮捕したのです。

2人は「別の古本市場で盗み、売りに来た」と容疑を認めているということです。男性店長は異動で今回の店に転勤、万引き犯と6年ぶりに“再会”したのだという。店長は入社からの8年間で約50件ほどの万引き犯を捕まえた実績があるという。お見事!としか言いようがありません。

そこで言いたいのですが、万引きの被害品の買い取りを防ぐためにゲーム店やビデオレンタル店が書籍やCD、ゲームソフトを買い取る際に、客が中学生以下の場合は保護者の同伴を求める自主ルールを10月から運用することも大事ですが、前記したように親が換金することもあるので、まずは万引きされないように心掛けることが最も大事です。

“目配り気配り声配り”を良く行うことです。これが何よりも最重要です。しかも、買取り店側が十分に確認しないまま(あえて!)買い取ってしまうこともあります。一昨年には上場企業の店舗がこれで業務停止になりました。

一昨年起きた上場企業の店では7月から8月にかけて、15~17歳の高校生3人が計3回にわたって来店し、万引きしたCDやゲームソフトなど計137点を約11万円で換金。同店では、18歳未満の客から商品を買い取る場合には保護者名などを確認しているが、この高校生らは連絡先に仲間の携帯電話番号を記入し、店員が確認の電話をかけた際は父親を装っていた模様だという。

その後10月に高校生らが窃盗容疑で逮捕されたことで、今回の事案が発覚したという。少年らは未使用の商品であることを示す透明フィルムに包装されたままのゲームソフトを店舗に持ち込んだ際に店員から指摘されたが、少年らがその場でフィルムを剥がすと、店はそのまま引き取ったというのです。

万引きされる店で気になるのは、売り場の規模に応じた店員数を配置しているだろうか、お客を見る(接客)レベルがどの程だろうか、店員教育がよく出来ているだろうか、派遣で来る保安警備員による監視体制(人数、派遣時間の詳細、派遣時の店員に対する研修の有無など)はどうなっているだろうか‐などです。

これらのレベルが100点満点に近くなければ、万引きは防げません。買取り店が買取りルールを厳しくても大した効果は期待出来ないでしょう。まずは、万引きされないように小売業界全店が神経を使うべきです。万引き犯を作っている罪を考えてください。

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