九州大学 歯学研究院の中西 博 教授らの研究グループは、神経障害性疼痛注1)の慢性化に二次リンパ組織注2)である脾臓における樹状細胞注3)のリソソーム酵素カテプシンS注4)の働きによる抗原特異的なCD4+T細胞注5)の活性化が重要であることをマウスによる研究で明らかにしました。活性化したCD4+T細胞は脊髄後角注6)へ浸潤し、インターフェロン-γ(IFN-γ)注7)を産生分泌することでミクログリア注8)の活性化をさらに深化させることが疼痛の慢性状態への移行に極めて重要であることを突き止めました。この研究成果は、神経障害性疼痛の慢性化メカニズムを理解するうえでの新たな知見を付け加えるとともに、カテプシンSを標的とした新しい神経障害性疼痛治療薬開発への可能性を提示するものです。