どうして1人にさせる [万引き防止.com]]

「デビアス」といえば、知る人ぞ知る世界各地に店舗を持つ世界に名だたるダイヤモンドの高級専門店。本社は南アフリカ共和国。同国は治安の悪さで有名。サッカーのワールドカップが10年6月11日から7月11日に開催されたが会場の一つとなったヨハネスブルグは「世界最悪の犯罪都市」「世界の犯罪首都」とまでいわれている。

そういうところに本店がある「デビアス名古屋店」(名古屋市中区栄、松坂屋名古屋店本館2階)で窃盗事件が13日夜に起きた。原因は、店員が1人だったことだとしかいえない。コンビニが金よこせと襲われ続けているのは1人勤務のためだということが圧倒的に多い。

国際的に著名な高級専門店の「デビアス」の名古屋店が、営業時間中に女性店員だけの1人にさせているとは思わなかった。店員を1人にしておいたのは‘郷に従った’のだろうか。何とも腑に落ちない。

13日夜に起きた事件当時、店内にいたのは応対した40代の女性店員と、盗んだと思われる男2人だけだった。男2人が入店したのは閉店15分前の午後7時45分頃。2人はたどたどしい日本語などを話し、応対した店員がショーケースから指輪などいくつかの商品を出して見せ、いったん小箱にしまったり再度見せたりしたという。

2人が退店したのは閉店時間が過ぎた午後8時15分頃。つまり、30分はいたことになる。その間、応対したのは女性店員1人。2人は来店して「指輪を見せてほしい」といい、何度か指輪を見た後、「明日買いに来る」といったため、店員は指輪が入った小箱を鍵付きの保管金庫にしまった後、2人を店員が時間外に使う通路まで案内したという。

店に戻って小箱を確認すると、指輪がなくなっていたという。店で最も高額(販売価格4,908万円)な4カラットのダイヤの指輪だった。男はいずれも東南アジア系とみられ、1人は40~50歳ぐらいで身長約170センチのやや太めの体格。もう1人は40代ぐらいで身長約160センチの中肉。2人とも黒っぽい服を着ており、店員とは日本語で会話していたという。

同店の監視カメラには、店員と向き合って座った2人のうちの1人が、テーブルに置かれた指輪の箱に手を伸ばす映像が写っていたというが、愛知県警が15日に公開した映像を見ると、2人がショーケース越しに店員と話す姿が写っており、向かって左側の1人の容貌は判別できるが、もう1人は斜め下向きなので判然とはしない。残念ながらテーブルに置かれた指輪の箱に手を伸ばすシーンはない。

女性店員は空になっていた小箱とは気付かずに女性店員が保管金庫にしまったか。その辺が気がかりで、2人を送った後、保管金庫に入れた小箱を確認し、なくなっていることを知ったのか。

これがやっと陽の目を見始めた高鮮明な画像が得られる「ハイビジョンカメラ」であったら、もっと詳しいことがわかり、警察は容疑者はこういう2人で、その証拠としてテーブルに置かれた指輪の箱に手を伸ばす映像を直ぐに公表しただろうに。

被害に遭った名古屋店では、当日は午後6時半以降は男性店長と女性店員2人のうち、女性店員1人だけにしていたという。どうも同店は高額商品を扱いながら危機意識がない。治安が日本は南アフリカと比べて天と地ほど違うと感じて油断していたのだろうか。

たしかに高級専門店には一般庶民には行き辛い。しかし、それは以前のこと。それなのに、セレブしか来ないと安心していたのだろうか。それなら甘い。今の日本は貧富の差がきわめて大きくなり、転売できるとなれば、あえてドロボーする危険をおかす。

今から15、6年も前、損保会社の得意先の宝飾店に防犯対策、接客のあり方を話してくれと言われたことがあるが、このときに店員1人では‘絶対に’商品を盗られてしまうから、せめて2人で応対すること。また、店員1人にさせたらネコババされて、知らぬ間に盗まれたと嘘をつかれてしまうと話したことがある。

男2人の犯行だとは断言するのは難しいが、いえるのは店員1人にしないこと。閉店後の残務整理も1人にしないこと。これは鉄則である。それが日本では守られていない。

高級専門店だからセレブしか来ないと思わないこと。金目のモノがあれば、金が欲しい人が一張羅を着こんで営業時間中に行くか、作業服を着て夜間や休日に侵入する。あらかじめ下見を済ませた後で…。来店客の鮮明な録画映像があれば捜査に役立つ。

犯罪について様々な手口が報じられているが、それをほとんどの店舗は‘他山の石’として防犯に備える材料にしていない。とくに1人勤務が狙われて強盗に襲われていることが分かっているのに、どうして店員を1人にするのだろうか。

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