貴金属触媒を使わない水素発生電極の開発 [JST]

JST 戦略的創造研究推進事業の一環として、東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の伊藤 良一 助教、陳 明偉 教授らは、3次元構造を持つグラフェンによる高性能な水素発生注1)電極を開発しました。

水素はクリーンなエネルギー媒体として期待され、製造、輸送および貯蔵のそれぞれの面から技術開発が進められています。その中で、水素ステーション注2)などで水素を「その場発生」させて供給する方法に注目が集まっていますが、そのための水の電気分解法にはエネルギー利用効率注3)の向上や電極の小型化などの課題があります。また、水素発生用電極材料としては、白金が最も優れていますが、コストが高いことから白金に変わる代替材料(ニッケルなど)の開発が望まれています。

研究者らは、平板電極と比べて単位触媒体積あたりの表面積を500倍程度まで増大させ、かつ、窒素と硫黄を少量添加した「3次元ナノ多孔質グラフェン」の作製に成功し、その電極特性を測定した結果、水素発生電極として機能することを見いだしました。さらに、この電極は現在白金代替金属として期待されているニッケルと同等の電気エネルギーで水素を発生することが分かりました。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20141209-2/index.html

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