炎症反応誘導に必須な分子の活性化を抑制する仕組みの一端を解明 [科学技術振興機構]

ウイルスや細菌に感染すると、私たちの身体は、炎症反応という一連の反応を起こすことで、これらの病原体と戦います。病原体を見つけ出す働きを持つ代表的な免疫系の細胞である樹状細胞注4)は、細胞膜上のToll様受容体(TLR)注5)というセンサーを使って病原体を認識すると、そのシグナルが細胞内に伝わり、最終的に炎症反応を誘導するキー転写因子NF-κBを活性化します。活性化したNF-κBは、炎症反応に必要な多くの遺伝子が順序よく働くように指令を出し、炎症反応の開始と進行に必要不可欠な役割を果たしています。これらの炎症反応により病原体に打ち勝つことができます。ところが、このNF-κBが過剰に活性化して炎症反応が暴走するような状態が続くと、アレルギー疾患や自己免疫疾患などの炎症性疾患を発症することが報告されています。このため、正常な炎症反応を保ち炎症性疾患の発症を防ぐには、NF-κBの活性をオンにするだけでなく、それを適切な時点でオフにするシステムが非常に重要です。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20141217/index.html

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