心不全、敗血症などの重篤なショック状態により血中乳酸値が上昇することで引き起こされる乳酸アシドーシス注1)は、致死率が約50%と高く、早急な対応が求められる病態です。
この度、慶應義塾大学 医学部の南嶋 洋司 特任講師、壽原(すはら)朋宏 医師(大学院 医学研究科 博士課程)、菱木 貴子 専任講師、笠原 正貴 東京歯科大学 教授らのグループは、乳酸アシドーシスにつながる血中乳酸値の上昇に対して、酸素濃度センサー分子であるプロリン水酸化酵素PHD2注2)を不活性化させることによって、肝細胞がより多くの乳酸を血中から取り込むことで血中乳酸値を低下させるメカニズムを解明しました。