神経難病が起こる仕組みを解明 [科学技術振興機構]

免疫系は病原菌やウイルスなどの異物を認識し排除するシステムですが、時には私たちの身体の一部を異物と誤認してしまい、自己組織を攻撃し炎症を引き起こすことがあります。多発性硬化症は、脳や脊髄といった中枢神経系注1)が免疫系によって攻撃を受ける自己免疫疾患であり、視力障害や運動麻痺などの神経症状が起きます。患者数が全世界で約250万人に及ぶ難病の神経疾患で、いまだ根治療法が存在しません。

健常状態では、中枢神経組織内に血液中の有害物質が侵入できないように、血液脳関門注2)と呼ばれる特殊なバリア機構が存在するため、免疫細胞は簡単に侵入できません。しかし、多発性硬化症では、たくさんの炎症性細胞注3)が中枢神経組織に侵入し集積してしまいます。多発性硬化症で、炎症性細胞が血液脳関門を通り抜けて中枢神経組織に集まる理由は、これまでよく分かっていませんでした。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151209/index.html

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