選択的オートファジーが標的のたんぱく質凝集体を認識・隔離するメカニズムを解明 [科学技術振興機構]

選択的オートファジー注1)が、不要となった特定のたんぱく質や細胞内小器官、病原性細菌などを選択的に分解することで、細胞の恒常性注2)は維持されています。選択的オートファジーが破綻すると、不要なミトコンドリアやたんぱく質凝集体が分解されず、パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患の原因にもなります。そのため、このメカニズムの理解が、これらの病気の克服への足掛かりになると期待されています。

微生物化学研究会 野田 展生 主席研究員、山崎 章徳 博士研究員らを中心とした研究グループは、出芽酵母注3)で凝集性たんぱく質アミノペプチダーゼⅠ(Ape1)が選択的オートファジーで分解される現象に着目しました。Ape1凝集体の立体構造と凝集体形成メカニズムを原子レベルで明らかにしました。さらに、Atg19受容体が凝集体に結合してオートファゴソーム注4)に取り込ませるメカニズムを解明しました。本研究結果は、Atg19受容体の分解対象の目印としての従来の機能の理解を深めるとともに、新たな機能として、凝集体のサイズを制御する役割を初めて示すものです。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160617/index.html

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