奈良先端科学技術大学院大学(学長:小笠原 直毅、奈良県生駒市)のバイオサイエンス研究科応用免疫学研究室 新藏 礼子(しんくら れいこ)教授らの研究グループは、炎症性腸疾患などで免疫系が過剰刺激を受けて炎症を起こす原因が腸内細菌叢注1)の変化であると考えた。研究グループはマウスの腸から多くのIgA(イムノグロブリンA)抗体を分離し、その中で多くの種類の腸内細菌に一番強く結合するW27IgA抗体(W27抗体)注2)を選択した。腸炎を起こすモデルマウスに、W27抗体を経口投与すると、腸内細菌叢が変化し、腸炎を抑制する効果があることを突き止めた。