生物の複雑さはタンパク質の種類の多さに依存しますが、ある1つの生物種が持つ遺伝子の数は限られています。したがって、より高度な生命活動を営むためには、機能の異なる複数のタンパク質を1つの遺伝子から生み出す仕組みが必要となります。
九州大学 大学院農学研究院 松下 智直 准教授、牛島 智一 特任助教らの研究グループは、九州工業大学 情報工学部 花田 耕介 准教授らの研究グループ等との共同研究により、転写注1)を開始する位置(転写開始点)のコントロールが、転写や翻訳注2)と並んで、真核生物の遺伝子発現制御における新しい普遍的なステップとして、タンパク質の種類の増加に少なからず寄与することを、世界に先駆けて示しました。