安全・安価なマグネシウム超分子触媒の開発と 光学活性リン化合物の触媒的不斉合成に成功 [科学技術振興機構]

酵素は環境に優しい理想的な高機能触媒であるが、その精巧な鍵穴をもった数万から数10万の分子量を有する触媒を単一分子として人工的に設計・合成するのは技術的に困難である。名古屋大学 大学院工学研究科 化学・生物工学専攻の石原 一彰

教授らの研究グループでは、JST・CRESTの研究の一環として、『予め分子設計しておいた数種類の小分子をフラスコ内で混ぜ、分子が自発的に集まって機能化する自己組織化を利用し一種類の超分子錯体に一気に収束させて、酵素機能を凌駕するナノサイズの高機能触媒を設計・開発する』ことを目的に研究を行っている。 この度、同研究グループは、ミネラルとして体内の必須元素でもあるマグネシウムイオンと入手容易で安価な光学活性注5)ジオールを2:3のモル比で混ぜるだけで自己組織化し一種類の超分子錯体に収束することを見出した。さらに、この超分子錯体(3or4)を不斉触媒として、不飽和カルボニル化合物への有機リン化合物の付加反応を試したところ、用いる基質に応じて、高選択的に光学活性β-ホスホリルエステルや光学活性α-ヒドロキシホスホン酸エステルが合成できることがわかった。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20130307/index.html

error: Content is protected !!
上部へスクロール