「タンスの中」から「電池の中」へ~大環状有機分子から全固体リチウムイオン電池の大容量負電極が誕生~[科学技術振興機構]

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の磯部 寛之 主任研究者(JST ERATO磯部縮退π集積プロジェクト 研究総括、東京大学 大学院理学系研究科 教授)、佐藤 宗太 准教授と折茂 慎一 教授の共同研究グループは、全固体リチウムイオン電池注1)の新しい負電極材料を開発しました。世界で初めて、「大環状有機分子がリチウムイオン電池負電極の好適材料となる」ことが示された研究成果です。この新しい分子材料(「穴あきグラフェン注2)分子(CNAP)」)は、汎用されている黒鉛(グラファイト)電極の2倍以上もの電気容量を実現し、その大容量は65回の充放電後にも保たれました。また、共同研究グループは、分子材料内に精巧につくりこんだ細孔が、大きな電気容量の秘密であることを解き明かしました。新材料のもととしたのは「ナフタレン注3)」。防虫剤として良く知られた分子「ナフタレン」ですが、それを化学の力により「大容量電池のための材料」に変換できることが示されました。わが国が最先端の研究力を誇る有機化学の力により、近い将来、高性能電池のための分子材料が自在に設計されることを期待させる成果となります。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160514/index.html

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