NECは、フランステレコムやマイクロソフトなどの海外の企業・研究機関8社と、スマートフォン向けサービスにおいて個人情報の漏洩を防止する匿名認証技術の共同研究を開始します。
昨今、パソコンやスマートフォンを利用した決済や位置情報を利用したサービスなどが普及しています。これらは本人や利用する端末を特定するIDを用いて認証を行いますが、アクセス履歴や行動履歴を蓄積し追跡することが可能であり、個人情報漏洩のリスクが高まっています。
そのため、本人や機器のIDは秘匿(匿名)にしたまま、アクセス権限だけを確認しサービスを利用可能とする匿名認証技術が注目されています。しかし本技術は多様かつ膨大な演算や処理をともなうため、CPUやメモリなどの計算資源や電力を豊富に利用できるパソコンなどが必要であり、スマートフォンなどの小型端末での利用が課題となっています。
NECはこのたび、フランス国立研究機構(ANR)のプロジェクトにおいて、フランステレコムやマイクロソフトなどの企業・研究機関と共同で本技術の研究開発を行います。NECでは従来から匿名認証技術の研究を行っており、このたび技術の先進性が認められて、日本企業で唯一、プライバシー保護の取り組みが盛んな欧州でのプロジェクト参画が決まりました。本研究では、非接触通信におけるセキュリティとプライバシーを暗号技術によって担保する匿名認証技術を、スマートフォンなどの小型端末を用いたサービスで実現し、2014年末までの実用化を目指します。