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■セキュリティ研究164号掲載

愛しのアクセスコントロール 161

「IFSEC インターナショナル2012“その2”」

ビデオテクニカ株式会社
代表取締役社長 住谷 健

前回、バッファローがセキュリティ市場へ参入のニュースをお届けしましたが、6 月20 日付のニュースリリースで、法人向けテラステーションの大容量モデルにIP カメラ(RTSP 対応機種)の記録ができる(1CH 分は無償で最大10 台までの記録ができる)モデルを発表しました。(受注生産品ということですが、普通に購入できます。)

追加のカメラライセンス料金は1 台が¥19,800、3 台が¥39,800、5 台が¥59,800 となっています。
対応カメラは、パナソニック、キャノン、ソニーとなっていて、ソフトウェア開発元で対応しているカメラから日本のメジャーメーカーに絞ってリリースして来ました。モボティックスがないのは気を遣った?のか、もともと無償のソフトが付いているから、が正解でしょうか!
詳しくはこちらを参照して下さい!
http://buffalo.jp/taiou/kisyu/terastation/camera.html

1 台の容量で足りない場合も、今度は、データサービスライセンセンス¥49,800 で追加のNAS の容量を追加できます。うーん、4 TB(RAID なし)¥130,000 と9 台のカメラを接続するとすると、¥99,600(5 台用¥59,800+3 台用¥39,800)となり9 CH カメラ4 TB 記録で合計¥219,600(メーカー希望小売価格)となり、悪くない金額だと思います。監視カメラのサーバーとして購入される比率は現状どの程度か分かりませんが、今後動向を見守って行きたいと思います。

さて、IFSEC です。
日本には未だディーラーがいないロシア製のVMSメーカーのaxxon 社も元気が良かったです。以前にもレポートしましたが、ちょっと変わった切り口の監視カメラシステムとして面白いと思います。最も特徴的な機能としては、ビデオの解析を利用し、一定期間の動きがあった部分だけを頭出しして同時再生するという凄いことができます。犯罪捜査や行動解析で威力を発揮します。今後監視カメラは、今までの記録を残しておいて何かあったら検証する、受動的な役割(パッシブ)はもちろん、画像解析の能力を更に磨きをかけて、能動的な役割(アクティブ)が益々重要になって来ますので、より画像解析の機能を前面に打ち出したモニタリングや必要な部分しか見ないといった、進化した監視カメラの運用を提案するようなシステムの登場を期待します。(実際にアメリカではもうあります)長期間のデータ保存を、安心して任せられるストレージシステムとも相まって、監視カメラシステムの正常進化はこれからも益々進むものと考えられます。

さて、アクセスコントロールですが、結論から言うと、収穫はありませんでした。残念!
ここ数年、端末の機器に関しては、(これも業界の傾向である)エッジデバイスのインテリジェント化に依る機器開発が進んでいます。主にはオフラインロックデバイス(正確にはセミオフラインですが)、配線が要らない無線とバッテリー駆動の組み合わせが多く、(オンラインのロックがないのですが、)この延長線上のシステムが5 年以内にポピュラーになると予想します。(もう3 年以上も言っていますけれども!)
大企業では、UTC F&S 社が規模的には最大級で、GE セキュリティ社の買収がまだまだ、社内の困難が収まっていませんね!

最終的には、PC のシステムでは、やはりオンガードに集約するのでしょうか? ? Lenel のシステムでは、今までのマーキューリー社製のコントローラーから初となる自社製のコントローラーに切り替えましたが、その旧マーキュリーパネルを他社製のソフトで動かしてLenel のオンガードからの乗り換えを推進するということに対する対抗策です!
コントローラーはなかなか変えることがことがないので、歯止めには少し時間が掛かるでしょうが。どちらかというとコストの削減の方が大きいメリットかもしれません。いや絶対そうだと感じます。買収したアクセスコントロールのPC 版GE のファシリティコマンダーもこの新しいコントローラーを使用するようになるので相互使用で入替え需要に対して十分に意識していると思えます。業界的には、Lenel のオンガードは大企業に強いのですが、追いかけるTyco グループとハネウェルそして、その次のグループの急先鋒であるS2 社のせめぎ合いだけが唯一の興味かな?
監視カメラのIP カメラと同様にハイパワーPoEで扉周りの全て機器をまかなうということですが、この辺から変わって行きますね!
エンドユーザーには、あまり関係がないかもしれませんが、Lenel, Honeywell とも各基板のサイズが大きく、なおかつリーダーが2 台接続する基板を多用するために、収納盤のサイズが大きくなってしまうという問題があります。
そろそろ、サイズダウンしてほしいと真剣に思います。
業界では、手の平に収まるサイズの1 ドアコントローラーもあるくらいですから!

今回のショーでブースを構えている、弊社取扱いのPCSC では、USSI 社(US SEISMIC SYSTEMS INC)の外周警戒センサーシステムを独占販売しています。(光ファイバーを敷設し、そのケーブルをマイクとして利用し侵入警戒を行うものです)
弊社も今年の8 月をメドに販売を開始します。
http://www.ussensorsystems.com/news-Nov-10-Maximum-Security-Project.html

既存他社の、フェンスシステムやファイバーケーブルシステムと大きく違う点は、ケーブルの途中に電源を必要としないことと音響での検知で、大幅な誤報の削減を実現しました。
又、この技術はもともと石油と天然ガスをモニターするシステムとして開発された技術を、外周警備に応用させたものです。パイプラインの漏れを検知するセンサーシステムがその元ですが!、もう一つ石油や天然ガスの探査に使用されるシステムがおおもとです!石油は、実は動いているそうで、その動く方向や、そもそもの場所を検知特定するための非常に高価なシステムをセキュリティ分野に応用させたものです。
この辺は、また別の機会に詳しく解説します。去年からこのシステムの販売を開始し非常に好調なセールスに成功しているのです。そのようなことから、弊社でも今まで扱いがないものですが、新しい事業として本格的に取り組むこととなりました。7 月中にトレーニングとデモシステムを購入し、代理店を募って販売を開始しますので、どうぞご期待下さい。

日本でも最近になって日本海の海底油田の可能性やメタンハイドレート、レアメタル等は非常にホットな話題です。そのことにも関係して来ると予想しています。非常に高感度なマイクを使い爆破等の振動と音響にて石油の位置を調べるというのがこのシステムの原理です。
面白そうですね、日本の石油会社にもこの探査システムは納入実績があるとのことです。
私たちが売れるものではないのですが、金額が非常に高価でも効果があるのでしょうね! !

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